こんにゃく米をはじめて食べた日

5月11日

夕方、買い物に出て久しぶりに坂を登ったらとてつもなく心拍数が上がった。

昨日のテレビで孫が経営する島のイタリアンレストランの食材を取るために断崖絶壁を命綱1本で降りていき、また登ってくる80歳くらいのおばあさんを見た。テレビを見ていると、こういうとてつもない体力を持つお年寄りが出てくる。それは例えば、ジム通いやお稽古事で後天的に獲得された筋力や運動能力ではなく、幼少期から日々の労働で培われた原始的な体力だ。戦中・戦後を生き抜いたホンモノの日本人のたくましさ。それと引き換え自分のひ弱さを思い知らせる。

夕飯にカツ丼を買ったのだが、いざ食べようとして、フタに貼ってあるシールをよくよく見ると「国産こんにゃく米」と書いてある。騙された。

そのようなものが売られていることは知っていたが、まさかダイエット用と謳ってもいないお弁当に堂々と米じゃない米が使用されていると誰が思うだろうか。普段からこんにゃく米を食べ慣れているか、カロリーオフのためこんにゃく米にチャレンジしてみようと思った人でなければ、騙された気分になっても致し方なかろう。

しかし買ってしまったものは仕方がないのでしぶしぶ食す。なんとも歯ごたえのないお粥のような噛みごたえ。おでんやきんぴらにしたときのプリとしたおまえはどこに行ってしまったのだ、こんにゃくよ。

たとえ糖質オフにならなくても、稲の米をご飯として食べたい。そしてこんにゃくはこんにゃくとして食べてやりたい。でないと、こんにゃくも浮かばれないではないか。

多少憤慨しながら食べ終えたが、この先、食糧難になったら否が応でも食べられなくなるわけだし、恵みがあるうちは感謝して食べる。それが一番だと思うのだ。